春が来た。

 2026年4月15日に“SILENT SIREN”が8th New Full Album『TRIANGLE』をリリースしました。今作は、女子バレーボールチーム『NECレッドロケッツ川崎』とのタイアップ曲「KETTO」、人気LINE漫画『黒崎くんは独占したがる』のショートドラマ主題歌「棘にハチミツ」を含む全12曲収録。SNSでバズっている「八月の夜」や「チェリボム」を彷彿とさせる“サイサイ”らしさが光る「やだ」をはじめ、新たな楽曲性で大人な側面を垣間見る「shippo」など、進化が止まらない彼女たちを感じる作品に仕上がっております。
 
 さて、今日のうたではそんな“SILENT SIREN”のすぅによる歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、収録曲「Shippo」にまつわるお話です。春になると、ひとは恋をする。その心模様は…。今回は音声版もございます。ぜひ、本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。


すぅの朗読を聴く
春になると、街の空気が少しだけやわらかくなる気がする。
 
冬の名残を引きずりながらも、どこか浮き足立っていて、心まで軽くなるような、そんな季節。
 
出会いと別れが同時に訪れるこの時期は、いつだって儚くて、それでいてどうしようもなく美しい。
そして、暖かさの奥にほんの少しの切なさを含んでいる。
 
春になると、人は恋をするのだと思う。
 
理由なんてなくていい。
ただ、ふとした瞬間に鼓動が早くなって、自分でも知らなかった自分の表情に気づく。
 
その人が何を好きなのか、どんなことで笑うのか、気になって仕方がなくなる。
そしていつの間にか、「その人のための特別」そんなものを、自分の中にいくつも作っている。
 
特別なワンピース。特別なメイク。特別な髪型。
 
ほんの少しの違いなのに、それは自分にとって大きな意味を持つ。
 
たとえば、いつもは髪を下ろしている私がポニーテールにすること。
 
それはほんのささやかな変化だけど、臆病な私なりの、小さなアピールだったりする。
 
気づいてほしいような、気づかれたら恥ずかしいような、そんな揺れる気持ちを、あなたの前でそっと揺らしてみる。
 
けれどきっと、あなたはそんなことには気づかない。春の麗らかな陽気に心を奪われて、ただ前を見ている。私はそんなあなたの横顔ばかりを覚えてしまう。
 
その横顔を見る春も、これが最後かもしれない。
 
卒業という言葉が現実味を帯びてくる頃、私はひとつだけ願ってしまう。あなたの第二ボタンが、まだそこに残っていますように、と。
 
 
「好き」の二文字は、結局言えなかった。それでも、何かを諦めたわけではなくて、そんな想いごと置いていくように、また春がやってくる。
同じようで、少し違う春。
私はきっとまた、新しい季節の中で、同じように恋をしてあなたに向けてしっぽを揺らす。
 
<SILENT SIREN・すぅ>


◆紹介曲「Shippo
作詞:すぅ
作曲:すぅ

8th New Full Album『TRIANGLE』
2026年4月15日発売
 
<収録曲>
1. TRIANGLE
2. KETTO
3. やだ
4. メイビーベイビーブルー
5. Sus4
6. 衝動
7. Lady go
8. オンリーワン
9. きゅぴきゅぴ
10. 君とダーリン
11. 棘にハチミツ
12. shippo