自分すら愛せない私が彼を愛し続けられる?

ENVii GABRIELLA
自分すら愛せない私が彼を愛し続けられる?
2022年10月26日に“ENVii GABRIELLA(エンヴィ・ガブリエラ)”が8㎝シングル『あなたが私を綺麗にする訳じゃないの』をリリースしました。力強いメッセージ性を込めた表題曲。サウンド面でも過去発表してきたどの曲よりもゴージャスで煌びやかに仕上がっており、エンガブ全ての楽曲を一つにまとめたような、目まぐるしい展開をみせるナンバーとなっております。 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放ったENVii GABRIELLAによる歌詞エッセイを2週連続でお届け!執筆を担当したのはTakassy。第2弾はシングル収録曲「 オリビアを聴きながらを聴きながら 」にまつわるお話です。相手のことを大好きな気持ちにも、愛している気持ちにも、偽りはない。だけど、自分自身を偽って、自分自身を愛せない…。今、葛藤のなかにいるあなたへ。この歌詞とエッセイが届きますように。 家の前の小道を抜けると少し車通りの多い大通りに出る。私はそこでタクシーを捕まえた。 「どちらまでですか?」 「渋谷駅まで行きたいんですが、表参道を通ってもらっていいですか?」 遠回りになると確認を取ってきたドライバーに、私は問題ないと答えた。時刻は16時を少しすぎたあたり。彼との待ち合わせは18時だからまだだいぶ時間がある。 今日こそ伝えよう。私はそう決めていた。 私はこの演じ続ける恋に疲れていた。今日だって、彼が以前好みだと言っていたフワッとしたシルエットのスカート。メイクも極力薄めのピンク系。ロングの髪の毛は1時間かけて巻いている。 これは私が求める私ではないといつからかずっと気づいてた。彼が喜ぶからとさりげなく彼の好みに合わせて、彼の喜んだ顔を見て、ああ彼は今日も私に笑いかけてくれてると、初めの頃は喜んでいた。そして彼が喜んでくれればそれでいいと思っていた。 でも。じゃぁ彼の知らない本当の私は? 彼が笑いかけているのは「私」じゃない。私の顔をした何かだ。本当の私は彼から一度も愛されてはいないんじゃないのか。そう思い始めた。 そして気づいたら後戻りはできないところまで来ていた。嘘はついていない。これもきっと私の一部ではある。でも居心地は最悪だった。それでも彼はいつも楽しそうに私との時間を過ごしている。彼はこの「二人」を愛してくれている。 何度も曝け出そうと思った。私が好きな服とメイク、話し方、食べたいものを伝えようかと思った。会話の隙間にさりげなく「こう言う感じどう?」とか「こう言うの好きかも」などと潜ませたときの彼の反応でわかってしまう。きっと幻滅されるかもしれないと思うと、結局また元通りに戻った。 私はいつからこんなに自分のことを愛せなくなったんだろう。どうして自分自身を愛してもらえないと感じてしまってるんだろう。 ふと窓の外を見ると、彼と入ったカフェ。少し暗くなってきた空の下で看板にライトが灯り始めてる。あ、あの店員さん、まだ働いてたんだな。生クリーム多めにしてくれたんだった。楽しかったな。一見何も変わらない景色は、何度も見返した大好きなラブコメ映画みたい。何度見てもハッピーエンド。 私と彼は? このまま付き合い続けることもできるけど、それはハッピーエンド? わからない。私は彼を愛してる。真っ直ぐで純粋。そして憎たらしいほど鈍感。でも好き。そしてそんな彼を愛している私を私が愛せない。自分すら愛せない私が彼を愛し続けられる? 考えが行ったり来たりしている間にも、タクシーはネオンを抜けて目的地に近づいている。こんな時だけ信号に引っかからずに、どんどん進む。 私はずるい。そして最悪なことをしようとしてる。傷つかないように、最後の最後に本音を晒して逃げようとしている。 彼の愛を取るか 自尊を取るか 偽るか真実か ふと見上げると駅が見えてきた。いつものガードレールに彼がもたれかかってる。いつもお尻が汚れるから座るなって言ってるのに。 「ついたよ」 彼からのLINE 私の気持ちは。 遠くに見えてるあの姿を愛してる。 このメッセージが愛おしい。 でも苦しい。 「止めてください」 ドライバーにそう告げて降りる支度をし始めた私の耳にふと、聞き覚えのある歌が流れてきた。 杏里。 私の幻を愛したの 「オリビアを聴きながら」だった。 <ENVii GABRIELLA・Takassy> ◆紹介曲「 オリビアを聴きながらを聴きながら 」 作詞:souljuice 作曲:souljuice ◆8㎝シングル 「あなたが私を綺麗にする訳じゃないの」数量限定販売 2022年10月26日リリース KING e-shop限定販売商品 ECB-1501 ¥8,000 (税抜¥7,273) 8cm CD+M-CARD+オリジナルサコッシュ+オリジナルキーチャーム <収録曲> 01. あなたが私を綺麗にする訳じゃないの 02. オリビアを聴きながらを聴きながら


















