藤雨

身体では溶かしきれない
鉛のように、水銀のように
ただ君といた日々だけが
はらわたの奥で疼いてる

願わくばあらゆる罰も受け入れよう
因果だろう
君の方がずっと痛いのにな

春、藤の雨に囚われて
二度と覚めない幻に沈む
生まれ変われども君が拒むなら
魂の行方は何処へ向かえばいい

柔らかなまどろみに溶ける朝
眠る君の髪や頬
甘くせせらぐ寝息、体温が
いつまでも側にあると信じてた

身体では溶かしきれない
鉛のように、水銀のように
ただ君といた日々だけを
はらわたの奥に閉じ込めてる

未だ降り止まない藤雨を
伝う幾雫の記憶も
やがて空に舞い君に届くなら
終わりなき螺旋に囚われ続けていよう

藤の花が朽ちる日まで
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