幽霊

憂鬱な日々を捕まえたメロディは私たちの秘密だった
再生すると透きとおる二人の声が部屋中を飛び回った

思いだしては時おり首をかしげるの
どの写真にも残ってないあの子はどこの子
誰だったんだろう

あの頃そばにいてくれた永遠のともだち
目を醒ましてしまいたくなかった
染みこんだかなしみだけがいつになってもとれない
洗濯機を背に途方に暮れていく夏の日
あなたは幽霊だったんだ

夕闇に浮かぶ祭囃子の船を屋根の上で眺めていた
雪洞が消えて夢が終わった後も帰れないままだった

誰にも見つからない押し入れを探し続けていた
逃げ出した先はいつだって行き止まりだろうと
傷つきながら

あの頃そばにいてくれた永遠のともだち
目を醒ましてしまいたくなかった
ふくらんだ入道雲にすいこまれるたびに
泣くこともできなかった私がそこにいるんだ

夏休みが終わったら大人になっていたの
目を覚ますとあなたはいなかった

思い出はいつも不確かで永遠なんてどこにもない
少しずつ忘れてしまうんだ

あの頃そばにいてくれた私だけのともだち
目を醒ましてしまいたくなかった夏の日
あなたは幽霊だったんだ
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