笑ったり転んだり ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | 佐藤良成 | 毎日難儀なことばかり 泣き疲れ眠るだけ そんなじゃダメだと怒ったり これでもいいかと思ったり 風が吹けば消えそうで おちおち夢も見られない 何があるのかどこに行くのか わからぬまま家を出て 帰る場所などとうに忘れた 君とふたり歩くだけ 日に日に世界が悪くなる 気のせいかそうじゃない そんなじゃダメだと焦ったり 生活しなきゃと坐ったり 夕日がとても綺麗だね 野垂れ死ぬかもしれないね 何があるのかどこに行くのか わからぬまま家を出て 帰る場所などとうに忘れた 君とふたり歩くだけ 黄昏の街西向きの部屋 壊さぬよう戸を閉めて 落ち込まないで諦めないで 君のとなり歩くから 今夜も散歩しましょうか |
| 夜明けハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 幾つもの月を数え 私は今見つけた これから先に何があろうとも あなたと一緒にすすんでゆこう いくつもの山を越えて 私はたどりついた これから先に何があろうとも あなたと一緒にすすんでゆこう そうあなたは私が今まで ずっと探し求めてきた人 夢にまで見た人 いくつもの海を渡り 私はたどりついた これから先に何があろうとも あなたと一緒に歩いてゆこう 幾千もの歳を超えて 私は今見つけた 幾千回も生まれかわって 私たちは今めぐり逢った あなたとめぐり逢った |
| メッセージハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | もしも僕の声が君に届くなら 胸の想いを僕は春の風にのせて いつの日か僕の想いを 風が運ぶまで僕は歌うのさ 君が好きだって もしも僕の声が君に届くなら 胸の想いを僕は夏の雲にのせて いつの日か雨上がりの空に 大きな虹を架けるのさ 君が好きだから もしも僕の声が君に届くなら 胸の想いを僕は紅葉色に染めて 夕日のあたる君の部屋の 窓辺にそっと置いとくのさ 君が好きだって もしも僕の声が君に届くなら 胸の想いを僕は冬の雪の下に いつの日か雪が溶けたころに 小さな花を咲かすのさ 君が好きな花 もしも僕の声が君に届くなら 胸の想いを僕はこの歌にのせて いつの日か僕の想いが君に 届くまで僕は歌うのさ 君が好きだって |
| アメリカの恋人ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 今までずっと想ってきたあなたの前で 僕は今ここでこうしてあなたを見上げている 今までずっと憧れてきたあなたの前で 僕は今ここでこうしてあなたを見上げている 言葉にできないこの想いを こんな歌にたくして叫んでみた 青い月の下、彼方に光る都市 あなたの声が優しく響いてくる 今までずっと恋焦がれてきた僕の前には 地平線の果てまでまっすぐに延びる一本道 今までずっと夢見てきた僕の前には 見渡すかぎり何もない、ここは砂漠 ちっぽけな僕には描き切れない 大きな世界がそこにあった 赤い土の上、彼方に蜃気楼 あなたの声が優しく響いてくる 青い月の下、彼方に光る都市 あなたの声が優しく響いてくる |
おなじ話 ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | どこにいるの? 窓のそばにいるよ 何をしてるの? 何にもしてないよ そばにおいでよ 今行くから待って 話をしよう いいよ、まず君から どこにいるの? 君のそばにいるよ 何を見てるの? 君のこと見てるよ どこへ行くの? どこへも行かないよ …… ずっとそばにいるよ それから 僕も君を見つめ それから いつもおなじ話 どこにいるの? となりの部屋にいるよ 何をしてるの? 手紙を書いてるの そばにおいでよ でももう行かなくちゃ 話をしよう …… それから 君はぼくを見つめ それから 泣きながらわらった それから 君はぼくを見つめ それから 泣きながらわらった さようなら ゆうべ夢を見たよ さようなら いつもおなじ話 |
| 長いこと待っていたんだハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | ずっと夢に見てたことが 今目の前で始まる ぼくは夢を見ているのか そうここは舞台の上 たくさんの人がぼくらの うたう歌を聴きに来る 子どもの頃からの夢は まさに始まったばかり ぼくは今ギターを抱え マイクに向かってうたう 長いこと待っていたんだ 今この時の来るのを どんな歌をうたおう どんなふうにうたおう うまくなくていいから 君に届くように 僕は今ギターを抱え マイクに向かってうたう 長いこと待っていたんだ 今この時の来るのを どんなふうに見えるだろう どんなこと言うだろう あの頃のぼくが今 うたうぼくを見たら ふるえる声でうたい出す 高鳴る胸をおさえて 子どもの頃からの夢は まさに始まったばかり まさに始まったばかり まさに始まったばかり |
| バビロンハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 考える 本を読む 夢を見る 嘘をつく 朝起きる 家を出る 寝に帰る くり返す 話し合う 確かめる 理解する 推し量る 受け入れる 歩み寄る 抱き合う 他の言葉じゃ置き換えられない (誰の 目にも 見えない) ぼくときみとの言葉遊び (あなた わたし 遊び) 見つめ合う 感じ合う 目を閉じる 手を伸ばす 横になる 服を脱ぐ 暗くする 熱くなる 手なずける 分かり合う 支配する 分かち合う もてあそぶ 信じ込む 裏切る 他の言葉じゃ確かめられない (どこに あるか 知らない) ぼくときみとの言葉捜し (あなた わたし 捜し) 手をつなぐ 殴り合う 口づける 唾を吐く 愛し合う 殺し合う 添い遂げる 焼き尽くす やり直す 立ち直る 作り出す また壊す くり返す くり返す それだけ 一度も会えず僕は灰になる (何度も生まれ変わる) 海で繋がる 川、川、川 (あなた わたし 川、川) わたしはあなたであなたはわたし (時空を超えて出逢うきみとぼく) 無言で眠る 川、川、川 (闇に佇む 川、川、川) |
| 国語ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | みんながフツーに使っている そのコトバの意味がわからない ねえ、イデオロギーって? ねえ、アイデンティティって? 辞書を引いてみてもわからない みんながフツーに使っている そのコトバの意味がわからない ねえ、カーソルキーって? ねえ、アットマークって? うちの広辞苑には出ていない 外国のコトバをカタカナに わからないことを曖昧に みんながフツーに使っている そのコトバの意味がわからない ねえ、オリジナリティって? ねえ、クリエイティブって? わからないくせに使うなよ 外国のコトバをカタカナに わからないことを曖昧に みんながフツーに使っている そのコトバの意味がわからない ねえ、マニフェストって? ねえ、プライオリティって? 騙すときにだけ使うなよ わからないくせに使うなよ テメーの都合で使うなよ |
| 大宴会ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 酒はたっぷり用意して 皆が来るのを待つばかり 今日の宴は俺のため 思うさまにやってくれ 久しぶりに見る顔もある 昔好きだった娘も来てる 皆随分歳とって なんだか妙に照れるな 歌え 踊れ 乾杯しよう 歌え 踊れ 夜を賭けて 朝が来て皆が寝たら 俺はこっそり行くのさ 酒が足らぬと言うのなら 奥にいくらでも置いてある 話が尽きぬと言うのなら いつまでも話せばいい 歌え 踊れ 今日は葬式 歌え 踊れ 夜を賭けて 朝が来て皆が寝たら 俺はこっそり行くのさ 歌え 踊れ 今日は葬式 歌え 踊れ 夜を賭けて 朝が来て皆が寝たら 俺はこっそり行くのさ 朝が来て皆が寝たら 俺はこっそり行くのさ |
虎 ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 何を見ても何をしても 僕の心凍えたまま 外は花が咲いていても 僕の庭は冬枯れたまま どこにいても誰といても 僕の時計止まったまま 深い深い穴の底で 一人惨めにいじけている 人の胸に届くような そんな歌がつくれたら だめだ、だめだ、今日はやめだ メロディひとつできやしない 酒だ、酒だ、同じことさ 昼間からつぶれて眠る 何を見ても何をしても 虚ろな目は死んだ魚 吐き出されたコトバたちが 部屋中溢れて腐っている 人の胸に残るような そんな歌がつくれたら 負けた、負けた、今日も負けだ 光るコトバ見つからない 酒だ、酒だ、飲んでしまえ 虎にもなれずに溺れる |
| ぼくのお日さまハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | ぼくはことばが うまく言えない はじめの音で つっかえてしまう だいじなことを 言おうとすると こ こ こ ことばが の の のどにつまる こみあげる気持ちで ぼくの胸はもうつぶれそう きらいなときはノーと 好きなら好きと言えたら あたまにきても ことばがでない く く く くたばれ これじゃ勝てないね 家に帰れば ロックがぼくを 待っててくれる ボリュームあげるよ 歌ならいつだって こんなに簡単に言えるけど 世の中歌のような 夢のようなとこじゃない ひとことも言えないで ぼくは今日もただ笑ってる きらいなときはノーと 好きなら好きと言えたら こみあげる気持ちで ぼくの胸はもうつぶれそう 泣きたきゃ泣けばいいさ そう歌がぼくに言う |
| 横顔しか知らないハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 今日もぼくは用もないのに 我慢できずに電話をかけた 5回ベルが鳴ったところで 知らない声がこう言った ただ今留守にしております 御用の方はメッセージをと だけどぼくは用もないから 結局何も言えなかった 今日のところはあきらめようか それとも後でかけなおそうか そんなことで悩んでる間に 夜はどんどん遅くなってて 気がついたらもうこんな時間 とうとう電話できなかった 今日もぼくは用もないのに 我慢できずに家を訪ねた ベルを押そうとしたところで 今さら怖くなってきた いやな顔をされるだろうか 扉を開けてくれるだろうか もしかしたら嫌われるかも それともすでにいやなのかも 今日のところはあきらめようか だめでもともと いってみようか そんなことで悩んでいたら 行き交う人にじろじろ見られ 気がついたらもうこんな時間 とうとう君に会えなかった とうとう君に会えなかった |
| ちいさな冒険者ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 転んで 擦りむいたとこ 血がにじんで しみるけれど へっちゃらさ すぐ治るから 明日にはかさぶたできる 今日もまた バカにされたよ 恥ずかしいし 悔しいけれど へっちゃらさ 覚えておけよ 今に笑い返してやる 岬から 船を出せば 風を受け 帆が膨らむ ぼくは今 土を離れ 七つの海を股にかける ケンカして 殴られたとこ 紫色 アザになった へっちゃらさ 今日のところは 負けたことにしといてやる 丘に立ち 手を広げて 風を待ち 羽ばたくのさ ぼくは今 土を離れ 大空渡る一羽の鳥 南から 風が吹いて 急に雨 降りはじめた 春はすぐ 隣りにいる 洗濯物取り込まなくちゃ |
| がんばれ兄ちゃんハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 走るの遅い 食べるの遅い 力も弱い お兄ちゃん ちょっとぶつけては すごく痛がる 俺のお兄ちゃん ああ兄ちゃん でもかっこいい かっこいいな ああそんなふうになりたいな ケンカをすれば 俺のが強い 今日も泣いてた お兄ちゃん 虫のことだけ やけに詳しい 俺のお兄ちゃん ああ兄ちゃん でもかっこいい かっこいいな ああそんなふうになりたいな 大きく なっても 仲良く しよう 俺の 知らない ことば 教えて ああ兄ちゃん やっぱかっこいい かっこいいな ああそんなふうになりたいな ああ兄ちゃん ほら泣かないで 男だろう ああ俺が守ってあげる |
| それでもともに歩いていくハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 子どもの頃に憧れた 木の上の小屋と合言葉 落ちこぼれが集まって 親に内緒で冒険する 思い描いてたものとは全然 似ても似つかないけど 足を引っ張りあいながら君と歩いてく ああ明日もきっと ぶつかって ケンカするだろう ああそれでもなお ぼくは君を友だちと呼ぶ 子どもの頃に憧れた 仲間たちとの強い絆 そんなの話の中だけと いつしか信じなくなってた 顔も見たくないときだってあるし イライラするけれど 結局お互い頼りにしながら歩いてく ああ明日もきっと ぶつかって ケンカするだろう ああそれでもなお ぼくは君を友だちと呼ぶ ああ明日もきっと ぶつかって ケンカするだろう ああそれでもなお ぼくは君を友だちと呼ぶ ああ昨日もまた つまらぬことで 言い合いをしてしまった ああ悪いのはぼく 君に会ったらなんて言おう うまく仲直りできるかな |
| 黄金のふたりハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | わけもなく涙が とまらなくて困ってる いつからもらい泣き なんかするようになっちまったのか 夕焼け空見るだけで 鼻がつんとしてくる 甥っ子の声聞けば たまらなく胸絞めつけられる おじさんになったね 自分だっておばさん 油っこいものはもう 入らないね ネットニュース見てたら いろんな家族のかたち そういうのもいいかも 最近ちょっと思ったりしてる 涼しい風が吹いて 髪をやさしく撫でた いつまで続くのだろう 壊れてしまったままの日々が おばさんになったね あんただっておじさん 騒ぎがすんだら 飯行こうか おじさんになったね 自分だっておばさん 油っこいのはもう 入らないね むかしなら絶対 こんなこと言わなかった でも今思うよ 今の方がいい |
| 恋の顛末ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 終わったことは終わったことと 片付けて次に行けばいい わかってるけどわかってるから 今夜はきっと眠れない 私の恋はいつも私から 始めるのも終えるのだって 好きだったけど冷めてしまった 仕方ないね仕方ないわ こんな時間はいつか終わる 始めた日からわかってたから 初めてのデート初めてのキス あの胸の高まりはもう 最後に夢に出てきたのはいつ ずいぶん遠く来ちゃったな じきに冷たい風が吹いてきて 私の心を芯から冷やすの コートのポケットあたたかな手のひら 仕方ないね仕方ないわ こんな時間はいつか終わる 始めた日からわかってたから 今日は深酒でもしながら 火が消えるのを眺めていよう |
| ふたつの星ハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | 毎晩毎晩おんなじ夜空を ずっと見上げていた 毎晩毎晩おんなじ手紙を 書いては送ってた 何年経ったかわからなくなって それでも待っていた 何年経ったかわからなくなった ある日見つけたのさ 果てなく広がる暗闇に ぼくはずっと一人でいたよ 名前も記憶もなくなって ぼくはただぼくになっていた ねえねえ君の隣に 来てもいいかい やっと見つけたんだ ねえねえどうか返事して 君がいるのはわかってるんだよ あれからもう一度毎晩夜空を ずっと見上げていた あれからもう一度毎晩手紙を 書いては送ってた 果てなく広がる暗闇に こうしてぽつんと一人でいても そんなに暗くもなくなった 君がどこかにいると知ってから ねえねえ君の隣に 来てもいいかい やっと見つけたんだ ねえねえどうか返事して 声さえ聞こえれば探せるから ねえねえどうやらぼくたち あまり近づいたらいけないみたい ねえねえぼくはかまわない 融けてなくなってもかまわない だんだん体が燃えていく 君に近づくたび小さくなってく ねえねえこのままくっついて 二人でひとつの星になれるかな |
| トンネルハンバート ハンバート | ハンバート ハンバート | 佐藤良成 | 佐藤良成 | | どこへ行くのかわからない どこから来たかもわからない 行くも戻るもない道を 戸惑いながら歩いている 何がどうしてこんなことに どこでどう間違っちまったのか 行くも戻るもできぬまま 途方にくれて座りこんだ 先の見えない日々に 押しつぶされそうで ふざけんなって喚きながら 手当たり次第物を投げた 暗いところを歩いてた 誰かの呼んでる声がした みんな泣いたり笑ったり そうやってきみは生まれてきた どうせ変わらないさと つい流されそうで 忘れんなって噛みしめた きみが生まれた朝のことを どこへ行くのかわからない どこから来たかもわからない 行くも戻るもない道を 戸惑いながら歩いている 歩いている 歩いていく |